起業して10年の振り返り

僕の起業第一歩目は、スキルも、覚悟も、ビジョンもなにも具体的なものもなく「ただ作って嬉しい・始まって嬉しいからやる」くらいの、よくも悪くも至ってピュアで無計画で場当たり的なものでした。

そんな安易な気持ちで始めたので、多くの方のお察しの通りまったくもってうまくいきません。これが、当時知るよしもなかった地獄の5年への入り口でした。

地獄の5年と這い上がりの5年

この10年は、わかりやすく、そして大げさに言ってしまえば、没落の前半5年と這い上がりの後半5年、そしてその"中間"の3つに別れます。

信じられないくらい調子に乗っていて、世間知らずで自己中心的でストレス耐性が低く、スキルも信用もお金もない状態で起業して上手くいくわけもなくただひたすら周りから人が消えていった最初の5年間。

そして、それにうっすら気づき始めて「とにかく自分を変えないと死ぬ」という危機感からあらゆる行動を見直した"中間"の期間(余談ですが、この頃本当に自分を殺す夢を良く見ました。自分を変えたいときに見る夢らしいです笑)。

そこから徐々に事業が立ち上がり今に向かう5年間、という感じです。

詳細は過去に様々な記事を書いていたので、今回は割愛させてください。

・地獄の前半5年の話

https://note.com/shunsuket/n/n1f7839b67a30

・這い上がりの後半5年の話

https://note.com/shunsuket/n/nbac54e049dca

https://note.com/shunsuket/n/nd868708ddb22

※5年前の5年間振り返りブログ、久しぶりに見返したら当時のキツイ記憶が蘇りすぎて吐きそうになりました。閲覧注意です。我ながらよく頑張ったものだ・・・。

10年続けた今、改めて"良かった"と思うこと

随分と杜撰で安易な始まり方だったにも関わらず、それでもこの起業の道を選んで本当に良かったと今では心の底から思えます。

それは勿論今が周りの人に恵まれている良い状態であるから、ということもありますが、その過程での得たものや学びもまた、当時裸一貫で踏み込まなければ得られなかっただろうな、ということもたくさんあるからです。

ありのままの弱く愚かな自分を、正面から受け止められた

まず何より大きいのは自分の最低ライン(?) じゃないかという所まで一度到達したことです。

すべてを自分の責任で進めなければならない環境で、あらゆる自分の弱さ・愚かさを露呈し、「自分は1人では何もできない」「自分は何者でもない」というありのままの自分の姿を、これでもかというくらい突きつけられました。

結果として常に脳裏に「何もできない弱く愚かな自分」の像が前提として張り付いている状態になり、自分の愚かさを弱さを認めることへの抵抗感を感じにくくなりました。

だからこそ、今周りに人がいて、その人達と一緒になにかに取り組めることを当たり前とは思わず大切にできます。そして、自分に対する耳の痛い意見を周囲の人から言われたときにも、抵抗が無いといえば嘘になってしまいますが、それでもかなり慎重にその声に耳を傾ける心がけを忘れないようにしています。