現在は「店舗の現場接客DX SaaS・coco」を開発・運営しており、現在の形になってきたのは2021年頃です。しかし、株式会社cocoの登記は実はそこそこ前で、2013年1月でした。
2013年に学生起業した私は、全くの無知・無経験状態から始まったため、特に最初の5年はかなり苦戦しました。たまたまプログラムを自分で書けたため、最初は時給換算したら100円くらいになってしまいそうな受託開発の仕事を、「自分なんかが受けていいのか」と思いながら恐る恐るうけました。文字通り朝から晩まで働きながら必死に生き抜くためだけに働いていました。
時間を売るだけでは先に進まない、と感じた2016年頃、「自宅をAirBnBに出し、自分はオフィスに寝泊まりしながら受託で稼ぐ」ということに挑戦しました。そこそこの結果はでて、当時の年齢の割にはそこそこ稼げたな、なんて思っています。
しかし、そんな無理をしていたら当然体を壊します。2017年初旬、高熱や倦怠感等で1週間くらい何もできない時間を過ごし、ある程度動けるようになってきたタイミングで再発防止のため疲れが取れそうな整体を探し、通い始めました。実際に効果が感じられたし、その後順調に体調が回復していきました。
その整体師さんは人柄もよく、なんでもフランクに聞いてくれたため、様々なことをお話させてもらいました。ビジネスモデルにも興味を持った私は広告費を聞いてふと素朴な疑問がわきました。「実際に効果が出る、こんな良い方のお店なのになぜインターネットではそれが伝わらないんだろう?」
「なんでこんな高い広告費が、この整体師さんにではなく中間媒体に取られてしまうんだろう?」
もちろん商売で広告は必要不可欠です。ただ、そのときは不当に高いように感じましたし、単純にもっと効率的なやり方があるように思えました。特に、今はSNSも発達しあらゆる情報がオープンに行き交う時代。
そのなかで「このお店は良いお店だよ!」という至極単純な情報が足りていない、ということは物凄く不自然なことに思えました。
そんな中で目を向けたのが、Google口コミでした。Googleマップは誰でも見るし、そこに良い口コミが多ければ、顧客も沢山くるだろう、と考えたのです。そこで、アメリカでの最新事情なども調査のうえ、今のcocoの原型となる「口コミ獲得サービス」を開始しました。
結果は大当たりでした。それは、私が2週間ごとに予約していた整体に、2ヶ月先まで予約できなくなるようなインパクトがありました。
今では、Google口コミだけではなく、アンケート機能など様々な機能を提供し、それを「現場接客DX」と再定義しています。Google口コミをきっかけに関わり始めたこの業種で様々な試行錯誤を繰り返すうちに、もっと大きく、根本的で、なにより僕たちの生活を豊かにする可能性のある大きな課題を発見したのです。